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UAゼンセン重点課題

産業政策

介護従事者の処遇改善と人材確保に向けた対策強化

人手不足が著しい介護従事者の処遇改善と人材確保を進めるために、介護報酬の引き上げを行うとともに、ICT化の推進や事務作業の簡素化等を推進する。また、介護労働のネガティブなイメージを払拭するために、行政・事業者・関係団体等と協働して介護労働の魅力を発信する広報活動を行う。さらに、介護分野への入職促進のために、介護職の公共職業訓練の拡充や潜在労働力の掘り起こしを行う。

<背景説明>

介護業界では、物価上昇により備品や消耗品、光熱費などの経費が増加しているが、介護サービスは介護報酬によって支払われる価格が決められているため、事業者の判断で価格転嫁できない。そのため、苦境に追い込まれている事業者が全国的に広がっている。一方で介護従事者の賃金は、全産業平均賃金と比して年収約970,000円の格差があり、ますます賃金格差が拡大する懸念がある。その結果、介護業界への入職者の減少と介護従事者の離職につながり、介護保険制度の基盤が働く者の側から崩壊する恐れがある。

そうした中、2024年度の介護報酬改定率は、介護職員の処遇改善分として0.98%、賃上げ税制を活用しつつ、介護職員以外の処遇改善を実現できる水準の改定率として0.61%、合計で1.59%のプラスとなった。また、処遇改善に関係する3つの加算の一本化も行われた。一方で、訪問介護、定期巡回サービス、夜間対応型訪問介護では基本報酬が引き下げられたことは問題である。他産業との賃金格差や昨今の物価動向を踏まえると、すべての介護労働者の継続的な処遇改善が可能となるよう、国として介護従事者の処遇改善策の拡充を早急に行う必要がある。 また、介護現場に求められている事務作業が増加している実態があり、法令上、提出が必要な書類の見直しや、ICTを活用した事務作業の軽減(書類削減)を行い、介護従事者の業務を軽減する必要がある。

介護労働は、きつい仕事内容の割に賃金が安い、人間関係を理由とした離職率が高い、慢性的な人材不足による過重労働で休暇も取りがたい等、ネガティブなイメージが定着しており、人材確保の促進や介護事業の運営を阻害している。介護労働の魅力の発信について、行政・事業者・関係団体とも協働して積極的に社会に広報活動をしながら、義務教育課程における体験実習・施設見学の推進や学校の進路相談関係者に対するPR、マスメディアを通じたポジティブイメージの積極的な発信など、さまざまな角度からアプローチを展開していく必要がある。

介護業界への入職促進のために、潜在している労働力の掘り起しを目的としたセミナー等の開催等を実施し、介護の公的職業訓練の拡充も行う。また、介護従事者の公的保育施設の優先利用について検討することも必要である。