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UAゼンセン重点課題

労働・社会政策

継続的な賃金引き上げを実現できる環境整備の推進

物価上昇と生産性向上に見合う賃上げがすべての職場で継続的に実現できるように、労務費を含めた適正な価格転嫁の促進等による適正取引の推進やエネルギーコストの抑制、賃上げ促進税制や助成金等の周知や拡充、人材投資や生産性向上に資する支援拡大などの環境整備を進める。

<背景説明>

2024年4月の日銀の消費者物価見通しは、2024年度2.8%、2025年度1.9%である。2024年度以降の消費者物価は2%前後の上昇が見込まれていることを踏まえ、企業収益や賃上げ原資を確保するための適正取引の推進、省エネ対策の強化や水道光熱費の抑制、関連税制や助成金の周知や拡充、生産性向上の促進策等の環境整備が重要である。特に、物価上昇を上回る持続的な賃上げを実現するためには、転嫁が遅れている人件費の価格転嫁を適切に進めることが重要であり、2023年11月に政府が公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に基づき、特に雇用の7割を占める中小企業が賃上げ原資を確保できる取引環境の整備が重要である。

政府は、2023年度補正予算における総合経済対策(※1)で、重点支援地方交付金を追加し、2022年度と同様に中小企業等の特別高圧受電者や医療・介護・保育施設等に対する支援が可能となった。また、同対策では、物価高により厳しい状況にある生活者・事業主支援の一環として講じた燃料油及び電気・ガスの激変緩和措置については2024年4月末までの継続とした。今後のエネルギー価格が、企業の賃上げ原資確保への見通し等を阻害しないよう、エネルギー価格の変動を踏まえた政府支援のさらなる拡充やトリガー条項の凍結解除など機動的な対策が必要である。

賃上げ促進税制については、2024年度税制改正によって、上乗せ要件「子育てとの両立・女性活躍支援」の新規追加とそれに伴う税額控除率の引き上げ、教育訓練費増額時の要件緩和、また中小企業で赤字などで使えなかった税額控除の最大5年間の繰り越し措置などが盛り込まれたが、税額控除額のさらなる引き上げ、中小・中堅企業における給与等の増額に応じた税額控除額の複数設定や上乗せ措置の引き上げ、給与等に一時金と残業代を含めないことなどの検討が必要である。

また、中小や下請け企業の賃金引き上げにつなげるため、原材料高騰や人件費の価格転嫁に応じるなど取引条件を改善した企業や、赤字であっても賃金を引き上げた企業に対し、固定資産税等の減免措置を講じることを検討するべきである。

※1 政府による2023年度補正予算による措置

①重点支援地方交付金 (推奨事業メニュー0.5兆円) エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し、事業者支援として、「医療・介護・保育施設、学校施設、公衆浴場等に対する物価高騰対策支援」や「中小企業等に対するエネルギー価格高騰対策支援」が含まれている。推奨事業メニューの使用項目等は自治体が判断する。

②燃料油価格激変緩和対策(1,532億円) ガソリンの全国平均価格168円を基準とし、基準価格から超えた分に対して元売りに補助金を支給して小売価格を抑制(基準価格から17円超の部分は全額補助とし、17円以下の部分は補助率3/5)。2024年4月末で終了。

③電気・ガス価格激変緩和対策事業(6,416億円) ・電気料金:2023年1月以降、電気小売事業者に料金値引き原資の支援(低圧契約3.5円/1kWh、高圧契約1.8円/1kWh)を通じて、企業の月々の電気料金を値引き。2024年4月使用分まで。 ・都市ガス料金:2023年1月以降、都市ガス小売事業者に料金値引き原資の支援(年間契約量が1000万㎥未満: 15円/1㎥)を通じて、企業の月々の料金を値引き。2024年4月使用分まで。 ・電気料金及び都市ガス料金の2024年5月使用分については、激変緩和の幅を縮小。