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UAゼンセン重点課題

地域政策

地方における就職者支援及び男女共同参画の推進

地方の中小企業への就職者に対する奨学金返還支援制度を創設し、その活用を進め、地域における人材確保につなげる。

また、地方における男女共同参画を進めていくために、子育てしながらも働き続けられる環境整備や、就労や起業を望む女性同士のネットワーク形成など、地域で女性が輝ける環境整備を推進する。

<背景説明>

従業員数300人未満の中小企業の就職者充足率は、例年、大企業に比べて極めて低く、人材不足は深刻な状況にあり、これまで培ってきた高度な技能の継承も危ぶまれている。また、経団連の就職協定の廃止や地方の雇用創出のための大企業等の誘致が地元の中小企業の人材確保に弊害をもたらす懸念もある。

地方の中小企業への就業促進の一環として、一部の地方自治体で取り組んでいる奨学金返還の軽減・免除を全国的に展開し、その活用を進める必要がある(※)。また、地域の生徒・学生が地元の企業を知る機会を設けるなど、奨学金の施策以外にも対策を講じることが必要である。

また、地方においては都市部への人口流出が大きな課題である。総務省の住民基本台帳人口移動報告(2023年結果)によると、47都道府県のうち転出超過は40道府県にのぼり、そのうち31道県は女性の転出が男性を上回っている。女性の転出が男性よりも多い背景として、地域社会や職場における固定的な性別役割分担意識や性差に関する偏見の存在が指摘されている(2023年版男女共同参画白書)。女性の転出は地域における出生率の低下・少子化・人口減少へとつながることから、持続可能な地域社会を築いていくためには、女性に選ばれる地域づくりを推進していく必要がある。

※ 地方自治体の奨学金支援の状況:対象となる奨学金の種類や対象者の要件、支給金額、支給時期は異なるものの、2023年6月1日現在、36都府県と695市区町村で奨学金の返還を支援する制度がある(内閣官房調べ)。大学卒業後に、地域内の特定の業種に一定期間就業する等の要件があり、専門学校生や大学院生、社会人を対象とする場合もある。