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UAゼンセン重点課題

地域政策

すべての産業を対象にした公契約の適正化

公契約のもとで働くすべての人の雇用・労働条件を守り、住民がより良い公共サービスを受けられるよう、賃金保障を義務付ける公契約条例を制定し、公契約の適正化を推進する。また、公契約条例の制定にあたっては、適正な労働条件を確保していくために、労働組合も参加する審議会を設置し、働く者の視点を反映させる。

また、安定的で質の高い行政サービスを持続的に提供していくために、エネルギー価格や食材費、人件費等の上昇を考慮し、学校給食事業やスポーツ施設管理、医療事務など自治体が事業者に業務委託している契約金額については、契約期間内であっても事業者からの要請に応じ、適宜見直しを行う。

<背景説明>

公契約とは、国や地方自治体が民間企業やNPO等と結ぶ契約全般のことをいう。具体的には、契約金額の大きい建設工事等の公共工事のみならず、サービス業(物品の購入、病院の医療事務、施設のビルメンテナンス、公共施設・スポーツ施設等の指定管理者制度も含む運営管理、警備、給食、運送、清掃業務、ごみの収集、学童保育、イベント委託など)が挙げられる。

現状、地方自治体は厳しい財政状況に置かれていることから、公契約の低価格化が進むことが懸念されている。特に前述のサービス業は、公契約と密接に関係している業種が多いものの認知度が低いうえ、公契約条例が制定されていてもサービス業が対象になっていない場合がある。このことは、公契約事業に携わる民間企業の経営悪化や労働者の労働条件の低下、あるいは公共サービスの質の低下等にもつながり、各種事故も発生している。

ダンピング的な受注や悪質なブローカーによる低価格受注を排除し、公契約事業にかかわる労働者が安心して生活を営める賃金水準と地域住民に対する質の高い公共サービスを保障するためには、サービス業も対象にした公契約条例を制定し、自治体が事業者と交わす公契約を適正なものにすることが必要である。

全国1794地方自治体のうち、86の自治体で公契約条例を制定しているが、賃金保障型(賃金保障を義務付ける)の公契約条例を制定した自治体は30にとどまる(2024年1月日時点)。

直近では、2023年12月に東京都台東区および三重県津市、2023年9月に東京都墨田区が賃金保障型の公契約条例を制定した。

〇公契約条例は含まれる内容により、以下の型に分類される。

① 理念型…公契約のもとで働く労働者の労働環境の向上に努めるといった理念を示すもの。契約にかかわる最低価格等の具体的内容を含まず、適正な労働条件の確保については努力義務にとどまる。

② 賃金保障型…条文に労働報酬の下限額を定めるといった「労働条項」を設けることで、入札参加者に所定の労働環境確保を義務付けるもの。規制の強さにより、公権力規制型(強制的に従わせるもの)・行政指導型(行政指導により規制するもの)・ILO第94号条約型(条例内容に基づいた契約を求めるもの)に分類される。

〇賃金保障型公契約条例を制定した自治体(2024年1月1日時点)
埼玉:草加市、越谷市
千葉:野田市、我孫子市
東京:台東区、墨田区、北区、中野区、江戸川区、渋谷区、足立区、千代田区、世田谷区、目黒区、新宿区、杉並区、国分寺市、日野市、多摩市
神奈川:川崎市、相模原市、厚木市
愛知:豊橋市、豊川市
三重:津市
兵庫:三木市、加西市、加東市
高知:高知市
福岡:直方市