
UAゼンセン重点課題
地域政策
地域共生社会の実現 ●県、市
すべての地域住民が多様な文化と価値観を尊重し、互いに支えあう地域共生社会の実現に向けて、多様性を謳う条例を制定する。また、地域住民の複合・複雑化した支援ニーズに対応するために、重層的支援体制整備事業(2020年改正社会福祉法)の枠組みを活用した包括的な支援体制の整備を進める。
8050問題や引きこもり、ヤングケアラー、ダブルケア、多胎妊娠、外国人、性的少数者など、現行法や現行制度の狭間に存在する相談や複数の分野にまたがる相談については、自治体のきめ細かな対応が求められている。
こうした相談への対応策として、「たらい回し」にすることなくワンストップで受ける「断らない窓口」の設置や、継続して寄り添う伴走型支援など包括的な支援体制を構築する市区町村に対して、国は交付金を新設して支援していくこととなった(重層的支援体制整備事業)。しかし、2024年度に実施した自治体は346(全市区町村のうち約20%)にとどまっている。地域住民の複合・複雑化したあらゆる支援ニーズに対応していくために、重層的支援体制整備事業の枠組みを活用した包括的な支援体制の整備を進める必要がある。 地域における支援事業の好事例としては、大阪府豊中市社会福祉協議会の取り組みが挙げられる。ここでは「1人もとりこぼさない」「すべての人に居場所と役割を」をスローガンに、地域住民、行政、民間企業が協働して地域福祉活動を推進している。校区単位での見守り活動・声かけ運動・個別支援や、世代間交流を含むふれあいサロン・子育てサロン・ミニデイサービス・会食会といったコミュニティづくり、福祉何でも相談窓口の対応等を行っている。そして、コミュニティソーシャルワーカーが主催し、行政の福祉関連部局、地域包括支援センター、福祉施設、保健師、保育士など専門家が参加する「地域福祉ネットワーク会議」で問題解決に向けて検討・協議を行っている。
※地域共生社会の実現に向け、多様性の尊重を謳う条例を制定し、各種施策を推進している自治体の例
・秋田県:
秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例(2022年4月1日施行)
・鎌倉市(神奈川県):
共生社会の実現を目指す条例(2019年4月1日施行)
・千葉県:
多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例(2024年1月1日施行)
・逗子市(神奈川県):
逗子市男女平等参画及び多様性を尊重する社会を推進する条例(2022年6月20日施行)
・安曇野市(長野県):
安曇野市多様性を尊重し合う共生社会づくり条例(2022年4月1日)