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UAゼンセン重点課題

地域政策

カスタマーハラスメント(悪質クレーム)対策の推進 ●県、市(国にも要請)

「サービス等を提供する側と受ける側がともに尊重される社会」の実現をめざし、一部の消費者による一般常識を超えた不当な要求や異常な態様の要求行為等のカスタマーハラスメント(悪質クレーム)の抑止・撲滅を推進する。
具体的には、カスタマーハラスメントの根絶を謳う条例制定や、消費者が加害者とならないために倫理的な行動を促す啓発活動および消費者教育を実施する。
併せて、カスタマーハラスメント(悪質クレーム)の実態調査を行い、対策に関する研究を行う。

<背景説明>

人格を否定する暴言や同じ内容を何回も繰り返すクレーム、長時間拘束や土下座による謝罪の要求、威嚇・居座り等、明らかに一般常識を超えたカスタマーハラスメント(悪質クレーム)は深刻な問題である。コロナ禍においては、流通・サービス業のエッセンシャルワーカーへのカスタマーハラスメント(悪質クレーム)がより深刻となり、社会的にも注目された。このようなクレームは働く者に大きなストレスを与え精神疾患を招くだけでなく、働く魅力を阻害し働き手不足を招き、販売機会のロスや対応コストの負担により賃金の源泉となる企業利益を損なう。なお、2023年9月には労災認定基準の改正により業務による心理的負荷に「カスタマーハラスメント」が追加された。

また、2024年12月、厚生労働省の「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」はカスタマーハラスメント対策については事業主の雇用管理上の措置義務とすることを求める報告書をまとめ、厚生労働大臣に建議した。建議を踏まえた法案が2025年の通常国会に提出されることが見込まれている(2025年3月時点)。

自治体は、カスタマーハラスメントとは、流通・サービス業にとどまらず人と接するあらゆる産業において起こっている社会的な問題であることを認識し、条例制定をはじめとした様々な対策を講じることで、労働者を守る姿勢を明らかにすることが何よりも重要である。

具体的には、カスタマーハラスメント被害の実態を把握し、その対策について研究をすすめるとともに、事業者に対する周知活動や消費者が加害者とならないために倫理的な消費行動を促す消費者教育、そして、条例制定等を推進することが必要である。

※地方自治体の取り組み事例
・北海道:
①ホームページにてUAゼンセン製作のCM動画を案内している。道内企業に対してカスタマーハラスメントに関する調査を実施した。
②道議会の主導で、「北海道カスタマーハラスメント防止条例」を制定した。(2025年4月施行)
・札幌市(北海道):
2023年7月から市役所本庁舎1階の市民の声を聞く課や各区総務企画課広聴係などにカスタマーハラスメント防止啓発ポスター掲示を開始。市民の声を聞く課では、暴言などのカスタマーハラスメント行為の予防を目的とした通話の録音を試行的に開始。市民への周知が進むと共に録音を意識し暴言等を控える傾向があることを踏まえて、2024年1月4日より各区総務企画課広聴係で通話の録音が開始されることなった。、統一的な基準に基づく電話や窓口対応を進めていくため、「広聴部門におけるカスタマーハラスメント対策マニュアル」の運用も開始。
・秋田県:
差別の解消をはかり、すべての県民が個性を尊重し合いながら、多様な文化および価値観を受け入れ、並びに互いに支え合う社会の形成をはかることを目的とした条例(「秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例」)が2022年4月1日に施行された。当条例の指針には、カスタマーハラスメント対策が示されている。
  ・栃木県:
    県内におけるカスタマーハラスメント発生状況等を把握し、対策の検討に活用するため、WEBアンケート調査を実施。
・宇都宮市(栃木県):
ホームーページに悪質クレーム防止について掲載された。
  ・群馬県
    ①「群馬県カスタマーハラスメント防止対策有識者会議」が設置された(委員就任)。
    ②条例制定に向けて、パブリックコメントを実施(2024年12月20~2025年1月19日)
    ③2025年2月に開会の群馬県議会第一回定例会で条例案が提出され、可決の見込み。
・東京都:
①中小企業対策の一環として、都内の中小企業約1万社を対象に悪質クレームの実態把握を行った。
その結果を踏まえ、中小企業からの相談の対応項目に悪質クレームを盛り込んだ。
②カスタマーハラスメントの禁止を謡う「カスタマーハラスメント防止条例」を制定した。(2025年4月施行)
・板橋区(東京都):
板橋区のホームページで「悪質クレーム(カスタマーハラスメント)にならない上手な意見の伝え方」を掲載している。消費者センターでUAゼンセンが作成した啓発チラシを配布している。
・新潟市(新潟県):
市のホームページにカスタマーハラスメントに関する啓発内容が掲載されることとなった。
  ・長野県:
    カスタマーハラスメントに関する実態調査の実施に向けた準備開始。
・長野県議会:
「顧客等のハラスメントを防止するための抜本的な対策を求める意見書」を全会一致で採択、内閣総理大臣、衆参議長へ提出された。同様に、名古屋市、一宮市、岡崎市でも、議会として内閣総理大臣、衆参議長、他大臣あてに意見書を提出した。
  ・愛知県:
    県にカスタマーハラスメント防止対策に関する協議会が設置された。労働者団体も委員として参加し、議論が進められている。
・三重県:
有識者による検討懇話会を設置するとともに、県庁内にも「カスハラ防止対策推進本部」を設置。
・鳥取県:
①消費者教育講座や市民向けの講座にカスタマーハラスメント(悪質クレーム)に関する具体例を盛り込むなどの啓発活動を実施している。
  ②県に「カスタマーハラスメント防止対策プロジェクトチーム会議」が設置された。
  ③3年に1度実施する「県職場環境等実態調査」にカスハラに関する項目を追加。
  ④県内企業・労働者に対するカスハラ実態調査を実施。
・岡山市(岡山県):
第2次岡山市消費者教育推進計画(2023年度~2027年度)の「(3)人権等に配慮した消費者啓発の推進」に、カスタマーハラスメント対策の必要性が明記された。
・高知県:
カスタマーハラスメントの県民への周知や労働者のハラスメントによる被害防止を目的とするポスターを作成。
・福岡県:
県議会で「顧客からのハラスメント」の抜本的な対策を求める意見書(衆参議長、内閣総理大臣、法務大臣、厚労大臣あて)」を全会一致で可決した。
  ・佐賀県
    県内企業の対策を促すためのセミナー開催や専門家派遣による個別相談会などを実施するため、カスタマーハラスメント等対策推進事業費を新たに予算化。