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重点継続課題

労働・社会政策

副業・兼業を行う労働者に対する保護の強化

本業、副業・兼業にかかわらず、労働基準法や労働保険、社会保険を適用し、保護を強化する。
具体的には、労働基準法第38条通達を堅持し、事業主が異なっても労働時間を通算することおよび労働者の自己申告が求められることの周知を徹底する。また、労働時間を通算することで週所定30時間を超える場合には、健康診断やストレスチェック等が適切に実施されるよう徹底する。労働保険や社会保険の適用あるいは給付については、労働時間に加えて賃金も合算できるよう整備する。
また、企業が賃金・労働時間を通算するシステム等を導入した場合には、必要な経費の一部を助成する。

<背景説明>

2020年の通常国会で、労災保険と雇用保険の改正法案が成立した。労災保険においては、本業と副業・兼業の賃金額を合計して保険給付を行うことや、各就業先の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定を行うこととなった。雇用保険については、65歳以上の労働者を対象に、本業と副業・兼業の労働時間を合算して月80時間以上であれば1ヵ月の被保険者期間として計算される等の試行的な制度改正にとどまっている。

一方、社会保険の適用要件については、審議会の検討項目にあがったものの、具体的な改正には至っていない。例えば、現在は、複数事業場で働き月額賃金の合計が8.8万円以上であっても、厚生年金保険(第2号)などに加入できない。副業・兼業者は、時間的制約の強いひとり親等、連続した長時間の就業が難しく、経済的に困窮している割合も高い。そのため、複数事業所で就業する副業・兼業者については、労働時間や賃金を合算し、社会保険・雇用保険の適用と給付が行われるよう、早急に取り組む必要がある。

2025年1月に公表された厚生労働省の労働基準関係法制研究会報告書において、労働基準法第38条通達の解釈を見直し、副業・兼業の場合の割増賃金の支払いは通算を要しないよう制度改正に取り組む旨が示されたが、労働基準法第38条通達は堅持し、手続き上の課題については、賃金・労働時間の通算を行うシステムの開発・導入支援などで対応すべきである。