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UAゼンセン重点課題

労働・社会政策

仕事と育児・介護の両立支援、働く女性の健康サポート強化、固定的な性別役割分担意識の解消

長時間労働の是正や男性の家事・育児への参画を進め、男女がともに子育てと就業継続を両立できる経済的支援の強化や保育サービスの充実をはかる。女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法に基づく認定の促進に向け、助成金の拡充や税制支援を行う。

具体的には、特に男性の育児休業の取得を促進し、就業継続とキャリア形成につなげるため、育児休業制度や育児休業給付金の更なる拡充および育休取得率など公表制度の見直しを行う。また、制度を利用しながら両立して働く具体的なイメージが持てるよう、夫婦の休暇・休業の活用と育児・家事への参加などの事例集を作成し周知する。さらに、育児休業者の代替要員確保等に関する助成金を拡充する。

働く女性の健康サポートを強化するため、更年期症状や生理痛、不妊治療に対する理解促進に向けた企業研修等を助成し、休暇制度を導入する企業を支援する。また、現行の生理休暇(労基法68条)を更年期症状や不妊治療など体調不良時に就業が著しく困難な場合にも利用できるものとし、取得が促進されるような名称に変更するとともに、取得した場合の所得保障を検討する。さらに、生理痛等の治療や就業時の体調改善につなげられるよう、ケア技術の普及や調査研究を行う。定期健康診断については性差を考慮した検査項目に見直す。

不妊治療と仕事の両立のために、両立支援等助成金の更なる拡充を行う。不妊治療に対する社会的認知を進め、「不妊治療連絡カード」の発行にともなう負担軽減などによって、その更なる活用をはかる。

介護と仕事の両立のため、介護休業期間を対象家族一人につき1年間に延長し、取得分割回数の制限を撤廃する。また、有期契約労働者の育児・介護休業を促進するため、取得における「同一の事業主」という要件を撤廃する。 固定的な性別役割分担意識の解消に向け、1996年の法制審議会の答申に基づき、国民から幅広く意見を聴くなど世論喚起を行いながら、選択的夫婦別氏制度導入に関する議論を進める。また、地域でも性別役割分担意識の解消に向け、地域の実情に則した取り組みの支援や情報発信を行う。

女性のキャリア形成や能力を発揮できる職場づくりのため、特に女性管理職の割合を高める支援を行う。海外では政治分野のクオータ制の導入により社会的意識の変化の成果を出していることを踏まえ、日本においても国会議員候補者を男女均等にすることを政党に義務づける法整備を検討する。

<背景説明>

出産・育児に関連する法律や制度が数多く改正されてきたが、男性の育児休業取得率が低いという運用上の課題が依然として残っている。そのため、特に男性が育児休業を取得しやすい仕組みや支援の拡充が求められている。現状では、男性の育児休業取得は出産後数日や配偶者の退院までに限られることが多く、取得方法等をサポートする必要がある。

育児休業者の代替要員確保について、2024年1月に導入された政府の両立支援等助成金に、「育休中等業務代替支援コース」が新設されているが、今後、実態調査等を行い、働く者が代替要員の確保などを通じてより快適に育児休業を取得できる環境を整備するために助成金の改善、さらなる拡充が必要である。

生理休暇について、更年期症状や不妊治療などの体調不良時に利用できるようにする必要がある。この休暇制度を利用しやすくするためには、休暇名の変更や心理的ハードルの低減が重要である。また、女性特有の健康問題に対する支援として、ケア技術の普及や調査研究の促進、性差を考慮した健康診断項目の見直しなどが必要である。

不妊治療と仕事の両立のための休暇制度を、人事院が始めた「出生サポート休暇制度」を参考に創設し、現行の両立支援等助成金を大企業まで拡大することも必要である。また、不妊治療に対する社会的認知を進めながら、「不妊治療連絡カード」を省令様式とすることを検討しながら、発行にともなう支払い負担の軽減などによって、更なる活用をはかる必要がある。さらに、妊娠や出産への正しい知識の普及に加え、里親や養子縁組、卵子提供といった不妊治療の代替となる幅広い選択肢を考慮できる体制を早急に整え、不妊治療と並行してカウンセリング体制の強化を行うことも必要である。

施設介護を含む全介護期間の平均は39.5ヵ月であり、10年以上にわたるケースも報告されている(JILPT2016調査)。このような状況から、休業期間の延長と回数制限の撤廃が求められ、働く人々が仕事と介護を両立しやすい環境が整えられるべきである。

有期雇用労働者の育児・介護休業に関する取得要件から「引き続き雇用された期間が1年以上」という条件が廃止された(2022年4月施行)。しかし、有期契約労働者の中には、転職しても同じ仕事を続ける場合もある。特に、入札事業などに関わる場合、職場が変わらないにもかかわらず、事業主が変更されることがある。このような背景を考慮し、1年勤続要件である「同一の事業主に引き続き1年以上雇用された期間」という条件は撤廃すべきである。 性別役割分担意識が国民に根強い一因に、結婚改姓で女性が男性側の姓に移行することにある。民間や行政機関の自らの取り組みにより、日常生活での旧姓使用が可能な場面が増えてきているが、一方、法律で夫婦同姓が規定されているのは日本のみとみられ、国内で法改正の議論は停滞している。1996年の法制審議会の答申(選択的夫婦別姓に関する民法改正)をもとに、国民から幅広く意見を聴くなどの世論喚起を行いながら、国会で選択的夫婦別姓を巡る議論を進める準備を早急に行う必要がある。また、地域でも性別役割分担意識の解消に向け、地域の実情に則した取り組みの支援や情報発信を行うことも必要である。

海外では政治分野のクオータ制の導入により社会的意識の変化等の成果を出している。日本においても実効性をともなうクオータ制の導入に向け、国会議員候補者を男女均等にすることを各政党に義務づけ、違反した場合には政党助成金を減額するなど政治分野における男女共同参画の推進に関する法律の改正を行う必要がある。