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重点継続課題

労働・社会政策

雇用契約類似労働者の法的保護

労働者とみなせない場合について、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の趣旨および本法に違反する事案について周知・広報を徹底するとともに、施行状況を検証し、必要な保護施策を講じる。また、労災保険特別加入制度への加入の促進にむけた広報を強化する。
雇用契約を結んでいなくとも、実態は労働者である場合には、確実に労働法や社会保険、労働保険を適用させる実効性のある仕組みを整備する。また、労働関係法令上の労働者概念について、社会の実態に合わせた見直し・拡充にむけた議論を開始する。

<背景説明>

フリーランスとして働く者の中には労働者に近い働き方をしている者もいるが、使用従属性等によって労働者性を判断する従来の労働関係法令では保護の対象とならない事例が増えている。

こうした状況に対し、2021年3月に内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が連名で「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を示し、実質的に発注者の指揮命令を受けて仕事に従事する場合は労働関係法令が適用されるとの見解が明記された。

雇用契約の形式はとっていないが、実質的に雇用労働者とみなせる者については、行政指導等によって労働法や社会保険、労働保険が適切に適用される体制整備が求められる。

加えて、労働組合法の適用となる労働者は労働基準法適用の労働者より要件が広いことに留意し、適切な運用をはかり団体交渉を促進していく必要がある。労働組合法上の適用とならない場合には、団体交渉に相当する仕組みの導入を検討する必要がある。

なお、多様な働き方が増えていることを踏まえれば、1985年の「労働基準法研究会報告」以降、40年にわたり検討されていない労働基準法上の労働者性の判断基準の見直しが必須である。2025年1月に公表された「労働基準関係法制研究会報告書」では、1985年報告を所与のものとせず、引き続き専門的な研究の場を設けて総合的な検討を行うよう厚生労働省に要請しており、早急な対応が望まれる。

一方、労働者とみなせない場合も、その労働の性格に応じて、最低生活の維持やワーク・ライフ・バランスの確保ができるよう、報酬の支払いや契約内容に関する法的保護を進める必要がある。具体的には、個人事業主が事業者と取引をする際、その取引全般に独占禁止法が適用されることの周知強化や、親事業者の資本金が1,000万円以下であっても下請法を適用する等の法改正が求められる。

また、2024年11月には、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)が施行されている。今後は、関連する附帯決議の具体化とともに、本法の履行確保、および脱法行為のモニタリングと是正が不可欠である。

また、同法の施行にあわせ特定受託事業者の労災保険への特別加入が可能となるが、加入をためらう就業者も少なからず存在することに鑑み、加入のメリットなどの周知・広報が必要である。