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重点継続課題

労働・社会政策

中小企業の定義の見直し

中小企業基本法における中小企業者の定義について、資本金基準や従業員数基準の妥当性を検証し、産業構造の変化を踏まえ業種を問わず統一するなど必要な見直しを行う。

また、中小企業政策の全体のあり方について検討を進め、すべての施策において中小企業と大企業との間に中堅企業を設け、企業規模に見合った支援策を実施する。

<背景説明>

中小企業基本法は、資本金または従業員数で中小企業を定義している。1963年の制定時に定義が導入され、1999年の基本法改正から20年以上が経過した。定義に資本金基準を採用している国は、主要国の中では見当たらず、資本性基準を採用している国は、ベトナム、パキスタン、ケニア、カメルーン等(2010年調査120ヵ国)である。コロナ禍で節税効果で減資する企業もある。従業員数基準についても、定義が現在の経済・社会状況や制度環境に適したものでなくなっている。

中小企業政策の基礎となる中小企業基本法で定める中小企業者は業種ごとに定義が異なっているが、産業構造が大きく変化する中で、産業ごとに異なる定義を基本とすることは適切ではない。定義としては産業にかかわらず一律とし、業種等に違いを設ける場合は、個別の施策の必要性に応じて検討されるべきである。特に、雇用に関する助成金については、中小企業に加算等を行う場合に、業種により適用基準を変えることに合理的な理由はない。

わが国企業は、下記の中小企業の定義を上回ってしまうと大企業となり、支援が受けられなくなってしまうという課題があったが、2024年通常国会では、中小企業者の定義を満たさない従業員数2,000人以下の会社等を中堅企業者と新たに定義付け、また、その中でも「雇用」、「成長投資」、「経営直」の3つの観点から、支援対象となる特定中堅企業者を定義し、成長を後押しするための法改正が行われた(注)。そうした動向も踏まえ、中小企業、中堅企業、大企業それぞれの企業規模に見合った支援策を求めていく必要がある。

なお、中小企業基本法と税制における中小企業の定義(資本金1億円以下)が異なっている。その整合性を取る必要があるため、中小企業政策全体のあり方の検討が求められる。

【中小企業基本法による中小企業の定義】

中小企業者(下記のいずれかを満たすこと)

資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員の数(※2)
製造業、建設業、運輸業、その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

※1 中小企業関連立法においては、政令によりゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下または従業員900人以下、旅館業は資本金5千万円以下または従業員200人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下を中小企業とする場合がある。

※2 常時使用する従業員の数-以下の労働者を除く者
①日々雇い入れられる者(1ヵ月を超えて使用された場合は除く)
②2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて使用された場合を除く)
③季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者(期間を超えた場合を除く)
④試の使用期間中の者(14日を超えて使用された場合を除く)

(注)特定中堅企業者の要件
①企業規模:常時使用する従業員数2,000 人以下の会社・個人(中小企業者・みなし大企業除く)
②直近事業年度の賃金(一人当たり給与支給総額)と従業員数の年平均成長率(3事業年度前比)が業種別平均以上
③中堅企業者の業種別平均以上の売上高成長投資比率
※成長投資は、設備投資額、無形固定資産投資額(M&A、ソフトウェア、特許権等)、研究開発費、能力開発費(研修参加費、研修委託費、留学費用、教材費等)のいずれか
④中堅企業から大企業へと成長する経営ビジョン(長期的に目指す姿、事業戦略、成果目標、経営管理体制)を記載させ、経営力の高さを定性的に評価(外部専門家を活用予定)する。
⑤特定中堅企業者に対する支援措置

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