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重点継続課題

労働・社会政策

革新的デジタル技術の開発・導入促進

産業によらず、デジタル化により生産性向上や雇用・労働環境の改善をはかる視点から、デジタル化の推進に対する経営者の強い関与と明確な方針提示の重要性を啓発するとともに、産業ごとの実態を政労使で定期的に確認したうえで、必要な環境整備策を講じる。また、デジタル人材の育成に向けて、大学等における実践的な教育プログラムを実施し、企業が有する実社会データの提供や求められる能力等の提示、実務家の派遣などにより、教育機関と産業労使間の連携を進める。

さらに、個社ではデジタル技術の実装が困難な中小企業を重点的に支援するため、実践的な支援拠点の拡充、一覧性ある支援策の周知強化、デジタル化を担う社内人材の確保支援、専門家の育成による伴走型支援の強化を行う。

<背景説明>

デジタル化への取り組み状況は、2021年時点で製造業、エネルギー・インフラ、商業・流通業で25%前後、サービス業等で約16%(2021年情報通信白書)と、産業ごとに状況が異なる。今後のデジタル技術の更なる利活用の促進に向けて、先ずは、経営者による主体的な取り組みを促すため、「DX推進ガイドライン」の周知などを通じて、その意識変革をはかる必要がある。また、デジタル化の方向性、取り組み状況、課題について産業ごとに政労使で定期的に確認し、それぞれの特性を踏まえた必要な施策について検討を行う仕組みづくりが求められる。一方、例えばサプライチェーンを通じた電子タグ(RFID)の活用など産業・業種横断的な課題については、国が主導し、共通プラットフォームの整備などを進めていく必要がある。さらに、デジタル人材不足への対応については、企業における人材育成はもとより、今後の産業におけるデジタル化を担う人材の裾野を拡大するため、産学連携等の取り組みを促進する必要がある。

中小企業におけるデジタル化への取り組み実施率は大企業の3分の1程度にとどまり、デジタル化の目的・目標設定、組織文化の変革、人材、資金の確保などに課題を抱えていることから、以下等の重点的な支援の拡充により、産業全体でデジタル化を進めていく必要がある。

  • 地方自治体、大学、研究機関、地域金融機関との連携による、試験設備を備えた中小企業支援拠点の整備。
  • 中小企業が、自社のニーズに適した支援策を選択できるよう、中小企業にも分かりやすい形でのデジタル化に関する情報提供、および一覧性ある支援策のアウトリーチ型周知の強化。
  • 中小企業におけるデジタルリテラシーの向上や、デジタル化を担う社内人材の能力開発、育成・確保へ向けた支援の拡充。
  • 政労使が参画して作成した育成プログラムによる中小企業のデジタル化推進を担う専門家の育成、および現場の課題・ニーズの把握、活用するデジタル技術の選定・導入・運用、効果検証まで専門家が一貫してサポートする伴走型支援の整備。