重点継続課題
労働・社会政策
ひとり親に対する支援強化
ひとり親家庭の生活の安定と向上にむけ、副業・兼業者への労働時間・賃金の通算による社会保険等の適用にむけ早急に取り組む。また、ひとり親家庭等への児童扶養手当の所得制限の撤廃、ひとり親の資格取得を支援する制度の緩和や内容の拡充、土日祝日・夜間・時間外の相談体制を強化する。
<背景説明>
現在は、複数事業場で働き月額賃金の合計が8.8万円以上であっても、厚生年金保険(第2号)などに加入できない。副業・兼業者は、時間的制約の強いひとり親等、連続した長時間の就業が難しく、経済的に困窮している割合も高い。そのため、複数事業所で就業する副業・兼業者については、労働時間や賃金を合算し、社会保険・雇用保険の適用と給付が行われるよう、早急に取り組む必要がある。あわせて、労働基準法第38条通達のとおり、事業主が違っても労働時間が通算されることの周知を徹底し、厚労省が開発した「マルチジョブ健康管理ツール」アプリの活用促進などが必要である。
なお、ひとり親に対する支援については、2024年度政府予算に①児童扶養手当の所得限度額の引き上げ、②ひとり親支援にかかる事業の対象者要件の緩和、③高等職業訓練促進給付金の短期間で取得可能な民間資格を含む対象資格への拡大が盛り込まれるなど、一定の進展が見られる。しかしUAゼンセンには、児童扶養手当の所得制限の撤廃を求める切実な声が寄せられており、更なる見直しが求められる。また、高等職業訓練促進給付金についても、今回の対象資格の拡大がひとり親家庭の生活や就労の安定に及ぼす効果を確認し、必要に応じて更なる制度の拡充が必要である。