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重点継続課題

産業政策

健康寿命の延伸に向けた国民の行動変容を促す取り組みの推進

国民の健康寿命の延伸に向けて、国民一人一人のヘルスリテラシーを強化するとともに、自らの健康は自ら維持、管理するというセルフケアの意識を喚起し、国民が正確な知識に基づき、正しい判断と行動がとれるよう、平時からの教育や啓発、情報提供を行う。

現行のセルフメディケーション税制の内容を大幅に拡充するとともに恒久化し、これを推進する。さらには、セルフメディケーションの選択肢を広げ、実効性を高めるために、安全性が高く効き目が良い医療用成分のスイッチOTC化を推進する。

公衆衛生充実の観点から、必要なワクチンの定期接種化ならびに任意接種の公的サポートの充実をはかる。また、これらのヘルスリテラシーに基づく行動を実践している組織や個人に対して、インセンティブ(保険料の一定割合免除など)を付与するなど、行動変容を促す制度を導入・強化する。

<背景説明>

○ヘルスリテラシーの強化

分かりやすく納得できる医療を実現し、さらにはポリファーマシーや残薬等の課題を解消するためには、かかりつけ医師や薬剤師等を中心としたさまざまな対応に加えて、国民に対して医療や薬剤等にかかるリテラシー教育を実施することが重要である。具体的には、医療費明細書を医療行為や使用した薬剤ごとに説明を加え、かつ表示を点数から円にするなど、診療内容、処方内容に対する理解向上をはかるべきである。

○セルフメディケーション税制の拡充と見直しについて

今般、拡充・延長されることとなったセルフメディケーション税制については、より税制の効果が見込まれる3症状群4薬効群に拡大されることとなったが、引き続き、税制対象製品をすべての要指導・一般用医薬品全般に拡大するなど、より分かりやすく、利用しやすい制度へのと見直しを継続検討すべきである。また、新型コロナウイルスの感染拡大で、「自らの健康は自ら守る」との意識が国民の間で高まったことを踏まえ、税制の活用につながるようこの機会に広報を強化すべきである。

○スイッチOTC医薬品(※)の拡大

日本は諸外国と比較して、スイッチ化が遅れている。安全性が高く効き目が良い医療用成分のスイッチOTC化を継続的に拡大すべきである。また、自身の健康状態を把握して疾病の早期発見、早期受診を促すためには検査薬の活用は有効であることから、安全かつ適正に使用できる検査薬のスイッチOTC化も進めるべきである。

※スイッチOTC医薬品:医療用医薬品を薬局・薬店で店頭販売できる一般用医薬品に転換(スイッチ)したもの。

○ワクチンの定期接種の拡大および任意接種に対する公的サポートの充実

この度の新型コロナウイルスの感染拡大は、社会・経済に深刻なダメージを与えるなど、感染症の恐ろしさを改めて示すこととなった。つぎなる感染症へ備えるうえでも感染症予防対策の強化が急務である。具体的にはワクチンにかかるリテラシー教育を通じて社会的啓発活動を実施したうえで、必要なワクチンの定期接種化ならびに任意接種の公的サポートの充実をはかるとともに、ワクチンの副反応にかかる救済制度の充実をはかる。