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UAゼンセン重点課題

労働・社会政策

働く女性の健康サポート強化

働く女性の健康サポートを強化するため、更年期症状や生理痛、不妊治療に対する企業の理解を促進し、適切な対応が取られるよう、企業研修やヘルスリテラシー向上策への助成を拡充する。また、「健康経営優良法人認定制度」と連携し、健康サポート施策を推進する企業への税制優遇措置や補助金の導入を行う。
また、現行の生理休暇(労基法68条)については、「健康支援休暇(仮称)」として名称を改め、更年期症状や不妊治療など女性の健康に関する広範な課題をカバーできる制度とする。併せて、取得が促進されるよう、休暇取得時の所得補償制度を創設し、企業負担を軽減するための助成金を設ける。さらに、企業が多様な休暇制度(短時間勤務、在宅勤務、フレックスタイム等)を導入しやすくなるよう、税制優遇や助成措置の拡充を行う。
生理痛等の治療や就業時の体調改善につなげられるよう、フェムテックの活用支援やケア技術の普及、調査研究を推進する。政府による「女性の健康総合センター」の機能強化(国立成育医療研究センター内)を通じ、働く女性の健康課題のデータ収集・研究・政策への反映を進める。また、婦人科検診の企業補助制度を拡充し、従業員の健康管理を支援する。
また、生理用品については、女性が生活する上で必需品であることから、消費税ゼロ税率とする。
定期健康診断については、女性特有の疾患(生理痛、更年期障害、婦人科がん等)のスクリーニングを強化し、性差を考慮した検査項目へと見直す。
不妊治療と仕事の両立のために、両立支援等助成金の拡充に加え、不妊治療にかかる通院・休暇取得に対する企業負担軽減策(助成金・税制優遇)の導入を図る。不妊治療に対する社会的認知を進め、「不妊治療連絡カード」の発行にともなう負担軽減などによって、その更なる活用をはかる。また、男性の育児・家事参加を促進するため、不妊治療を含めた制度を導入し、企業に対する助成制度を新設することで、男女双方が健康を維持しながら働ける環境を整備する。

<背景説明>

働く女性の健康課題は、職場環境の整備と社会的理解が進まないまま放置されることで、離職や生産性低下といった深刻な影響をもたらしている。経済産業省の推計によれば、女性特有の健康課題による経済損失は年間約3.4兆円に上り、とりわけ更年期症状による損失は1.9兆円に達するとされている。こうした状況を踏まえ、2024年6月に政府が決定した「女性版骨太の方針2024」においても、働く女性の健康課題への対応は優先的課題とされている。

更年期障害や生理痛、不妊治療などへの配慮が不十分な現行の職場環境では、体調不良を抱えながら働く「プレゼンティーズム」が常態化しており、パフォーマンスの低下や離職に直結する。また、厚生労働省は2024年10月から、定期健康診断の問診に女性特有の疾患を追加する方針であり、これを契機に企業における健康管理体制の見直しが求められている。

現在の労働基準法第68条に基づく「生理休暇」は取得率が極めて低く、取得しづらい雰囲気や名称の問題も指摘されている。生理痛や更年期症状、不妊治療に対応した柔軟な休暇制度へと見直し、名称変更と所得補償の制度化が急務である。また、経済産業省が支援するフェムテック(FemTech)の普及は、女性の健康課題に対する技術的解決策として注目されており、民間企業による健康可視化ツールの導入や研修の強化も進んでいる。

さらに、女性特有の健康課題に対する啓発活動の強化と、国立成育医療研究センター内に設置された「女性の健康総合センター」の研究成果を政策に反映させる仕組みづくりも重要である。婦人科検診の企業補助制度の拡充や、性差を考慮した健診項目の見直しを含め、働く女性のヘルスリテラシー向上と就業継続を両立させる政策的後押しが不可欠である。

生理用品のように性別によって不可避に生じる生活支出については、生活上の不可避性と性差に基づく公平性の観点から個別に配慮し、限定的にゼロ税率の対象とするなどの措置が必要である。

不妊治療との両立支援としては、人事院が導入した「出生サポート休暇制度」に倣い、男女問わず取得可能な「健康支援休暇(仮称)」の創設が必要である。現行の両立支援等助成金制度の対象拡充や、不妊治療にかかる休暇取得・通院に関する企業への助成強化も求められる。