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重点継続課題

産業政策

運送業における「標準的な運賃」の制度化、自動運転の運送車両に対する助成制度の導入【新規】

運送業における「標準的な運賃」について、「当面の間延長」となっている時限措置を改め、制度化する。

また、自動運転の実用化に伴い、高額となるトラック購入費用の助成制度を導入し、環境整備を進める。

<背景説明>

〇運送業における「標準的な運賃」の制度化

トラックドライバーの労働条件の改善やトラック業者の適正な運賃収入を目指すことを目的として、国土交通省大臣より2020年4月に「標準的な運賃」の告示があり制度が設けられた。これは運賃交渉などの材料として各社で活用され、一部では実際に運賃の改定がされるが、ほとんどの企業(運送業者)において運賃値上げ交渉は大変厳しい状況である。また一部の荷主企業からは、運賃交渉を行った場合、「運送業者を変更する」と言われ契約時の運賃で配送を行っている企業(運送業者)も多い。

さらにトラックドライバーの年間労働時間は、全産業平均と比較して長時間となっている。総務省の調査によると2021年現在、トラック運送事業に従事する就業者数は全体で約199万人、このうちドライバー等輸送・機械運転従事者数は約84万人と横ばいで推移している。

トラック運送事業を含む自動車運送事業は、中高年層の男性労働力に強く依存しており、2021年においては40歳未満の若い就業者数は全体の24.1%である一方で、40歳以上50歳未満が29.1%、そして50歳以上が45 .2 %を占めるなど、高齢化が年々進んでいる。さらに、女性の比率については就業者全体で20.1%、輸送・機械運転従事者では3.6%と依然として低い状況にある。

この状況を解決するためには、やはり適正運賃の収受をおこなうことであり「標準的な運賃」が一つの指針として必要である。また、トラックドライバーの労働条件を改善しドライバー不足の解消を図り、安定した輸送力を確保おこない法令を遵守し持続的に事業を行う上でも、適正かつ継続的な運用が必要なため「当面の間延長」となっている時限措置について、期限の定めがない法制化を求める。

〇自動運転の運送車両に対する助成制度の導入

自動運転の実用化のためには、車両の技術開発のほか、走行環境の整備、社会受容性向上など、 総合的な取組が必要でるが、現在、物流トラックに関して自動運転はレベル4(高速道路での自動運転)に達しており、全てにおいてドライバーの操作が不要となる完全自動化は2030年代の実現にむけた動きが多い。また、この自動運転レベル5に対して、日本政府は2027年に開催予定の「国際園芸博覧会」で実証実験を計画しており、実現の目途の可否を検討する方針を明らかにしている。

今後、自動運転が普及されていけばタクシー業界やトラック業界の人手不足などの解消の一躍を担うことができる。さらには国内の交通死亡事故のうち、95%が運転者の違反に起因するといわれているが、運転が自動化された車両になることによって、ヒューマンエラーによる交通事故の大幅な減少に期待もできるが、自動運転の車両の普及を行うためには、高額な設備投資が必要なる。現在10tトラックを新車で購入する場合、1700万円~2,100万円といわれおり、これに自動運転の装備を入れた場合、相当な資金(費用)が掛かることから、中小企業にまで普及されるまでには時間が掛かることが予測される。

この様なことから、早期の普及を目指すためには自動運転化の車両に対する助成制度を導入することが必要である。