
重点継続課題
産業政策
キャッシュレス決済の普及推進
日本のキャッシュレス決済の更なる普及促進のため、決済機器の導入コスト軽減やセキュリティーの強化、フィッシング詐欺などの不正利用を防ぐ消費者保護の強化を進める。
<背景説明>
経済産業省の調査によると、2024年の日本のキャッシュレス決済額は141兆円を超え、決済比率は42.8%(前年+3.5%)となった。キャッシュレス決済比率の大きい韓国(99.0%)、中国(83.5%)、オーストラリア(75.9%)、イギリス(64.2%)、アメリカ(56.4%)などと比べ、大きな開きがある。キャッシュレス決済が普及することで、現金の輸送コストなどが抑えられたり、観光立国として訪日観光客の増加などのインバウンド需要を取り込むことができるため普及推進に取り組む必要がある。
一方、キャッシュレス決済拡大にともない、クレジットカードの不正利用も増加してきており、日本クレジット協会によると、2023年度の不正利用額は541億円と過去最悪となった。不正利用被害の9割超がカード番号の盗用によるもので、偽サイトに誘導して個人情報をだまし取るフィッシング詐欺の被害が増加している。
日本におけるキャッシュレス決済の普及率促進のためには、金融関連企業も利用者が安心して決済を行えるよう対策を進めているが、さらなるセキュリティーの強化や不正使用等のトラブル対策についても取り組みが必要である。
※諸外国のキャッシュレス決済の状況において、韓国と中国は、コーポレートカードを始めとする企業会計分野でのクレジットカード利用も含まれているため参考値とする。