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UAゼンセン重点課題

労働・社会政策

総合的なハラスメント対策の推進【新規】

ハラスメント対策関連法が定める事業主が雇用管理上講ずべき措置の実効性を高めるため、労働局、労働基準監督署、労働委員会、法曹界(弁護士会・司法機関)が連携し、ハラスメントに関する定期的な実態調査を行う。さらに、労働施策総合推進法に基づき企業に対する助言・指導・勧告の徹底および、悪質な違反企業への厳格な監督指導・企業名公表を強化し、実効性のある指導監督、法執行を行う。
事業主が雇用管理上講ずべき措置も含めたハラスメント対策について、(安全)衛生委員会の活用を含め、労働者が参加した場での協議が求められる旨、周知、助言をはかる。
職場におけるハラスメントの早期対策・解決に向けて、公的な相談窓口の機能強化をはかるとともに、企業に対し、社内外の複数窓口の設置を促す。特に中小企業向けに外部相談機関(ハラスメント専門第三者機関)を活用できる制度を創設する。
あらゆる労働者がハラスメントを受けず、行わず、安心して働ける社会をめざし、ILOの「仕事の世界における暴力とハラスメント」を禁止するための条約(第190号)の国内批准を視野に、労働施策総合推進法等の関係法令の改正に向けた具体的な検討を開始し、包括的なハラスメント法制の整備、禁止規定の創設を行う。

<背景説明>

2020年6月にハラスメント対策関連法が施行され、今国会では、カスタマー・ハラスメントおよび就活等セクシュアルハラスメントに対する雇用管理上の措置義務化、職場におけるハラスメントを行ってはならないことについて、社会における規範意識の醸成に国が取り組む旨を盛り込む法改正が見込まれるなど、ハラスメント対策には一定の進展がみられる。

一方、都道府県労働局へのハラスメントに係る相談件数は高止まり傾向であり、精神障害の請求件数は増加傾向、まみに聴かせてキャンペーンにもハラスメント対策の強化を求める声が寄せられている。現行の国内法は、ハラスメントを禁止事項としておらず、行為者あるいは被害者の範囲も依然として限定的だが、ハラスメントは、受けた者の尊厳と心身を著しく損ない、時には死にも至らしめるなど、労働者自身、職場、社会にもたらす損失は甚大である。国内法の実効性を高め、社会の意識を変革する更なる施策が求められる。 ハラスメントの実相は多岐にわたるが、国内法では、個々のハラスメントに対する定義、対策が異なる法律、指針で示されている。全体像を理解する難しさや、定義の曖昧さも相まって、相談への一歩を踏み出せず深刻化することや、ハラスメントの訴えを恐れ必要な指導や職場のコミュニケーションが低下する可能性も示唆されている。現行法に基づく監督指導を強化することはもとより、勤務先や職場での地位、雇用形態に関わらず相談しやすい環境作りへの支援や、労使で継続して職場のハラスメントに係る情報を共有し、対策を講じる取り組みの推進が必要である。

ILO第190号条約は、ハラスメントの根絶を謳い禁止規定を設けていることや、ハラスメントの定義、対象となる人、状況等の範囲を幅広く設定し、包括的な対策を示すなど、国内法令の強化にあたり参照すべき点が多い。日本政府は、同条約の採択に賛成したものの、批准への検討は進んでいない状況にあるが、同条約の批准に向けた具体的な検討を開始することにより、国内法令を更に整備し、ハラスメントのない職場づくりを実現するための原動力としていくべきである。