
重点継続課題
地域政策
ひとり親支援 ●県、市(国にも要請)
ひとり親に対する行政支援の窓口の一本化(自治体窓口のワンストップ化)を更に推進する。デジタル技術を活用し、行政手続きのオンライン化・簡素化を進めることで、必要な書類の作成支援や申請手続きの利便性を向上させる。
また、就業しているひとり親に確実に支援が届くよう、全国共通のオンライン相談窓口を設置し、自治体ごとの相談体制のばらつきを解消するとともに土日祝日・夜間も対応可能な体制を整備する。
加えて、企業がひとり親支援の窓口などを設置した場合に活用できる企業向けのひとり親支援プログラムを策定し、ガイドラインや相談窓口の設置に対するインセンティブを付与することで、企業との連携を強化する。
ひとり親は、仕事と家庭生活を一手に担うために時間的余裕がなく、行政の支援にたどり着けない場合も多い。育児だけでなく介護も行う(ダブルケア)ひとり親もいることも考慮し、ひとり親の行政支援窓口と子育て世代包括支援センターや地域包括支援センターとの連携も必要である。
窓口のワンストップ化の推進とともに、練馬区で2019年1月から始まった、必要な書類を一括して作成できるサービスの施行運用を参考とし、全国どこでもスムーズに申請できるような体制にしていくことが必要である。専用端末の設置はコスト・運用面での課題が大きく、スマホやPCを活用したオンライン手続きの方が実現可能性が高い。 各自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画と連携させる形で、利便性を向上させるべきである。
また、就業しているひとり親への対応としては、努力義務となっている土日祝日・夜間の相談対応や企業で相談を受ける体制をつくることが有効である。また、自治体によって支援のレベルが異なるため、全国共通の窓口を設けることで、どの地域に住んでいても公平に相談を受けられるようにすることが必要であり、 既存の子ども家庭庁の「ひとり親支援総合窓口」とも連携させることも必要である。
ひとり親家庭に対する支援として、子ども家庭庁では、子どもの居場所づくりや相談窓口整備に関する国から自治体への補助事業が強化された。地域の実情に応じたきめ細かな支援を推進していくためには、国との連携が必要不可欠である。
単なる情報提供ではなく、企業が主体的に支援を行うための仕組みを作るべきであり、ガイドライン等を策定し、福利厚生の一環としてひとり親支援を取り組む企業への税制優遇などを検討することで、実効性を高めることも必要である。
※地方自治体の対応事例
・滝沢市(岩手県):
転入などの住民異動届申請書に「ひとり親家庭、または同一住所でひとり親家庭と同居している」とのチェック項目を用意し、チェックがあった場合には確実に支援窓口につないでいる。
・上尾市(埼玉県):
相談内容に応じて他課との連携も行いながらひとり親家庭を支援するワンストップ型の相談窓口「こどもすくすくスクエア」を設置。
・船橋市(千葉県):
ひとり親家庭の相談スペースの確保や休日・夜間相談を実施。また、ひとり親への周知では現況届提出時や離婚届出受け取り時にリーフレットを手渡すなどあらゆる機会をとらえてもれのない情報提供をめざしている。
・足立区(東京都):
住まい、子育て、仕事、健康など、ひとり親家庭にとって必要な情報を集めた「ひとり親家庭応援ブック」を作成・配布。
・長野県:
ひとり親専用の夜間、土曜日の電話相談を設置し、月・水・金曜日は午後5時15分から午後8時まで、土曜日は午前10時から午後6時まで受け付けている。
・福岡市(福岡県):
ひとり親が来訪しやすい土曜日(14時~16時)に弁護士による法律相談を実施。厚生労働省・ひとり親家庭への支援施策に関する事例集(2017年3月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161462.html