重点継続課題
地域政策
フードバンク活動の課題解決と普及促進
食品ロス削減と生活困窮者への食糧支援という側面を持つフードバンクの普及促進に向け、フードバンク活動団体が抱える課題を解決するために、相談窓口や活動の関係者で構成する協議体を設置する。また、活動団体に対する財政的支援や社会的認知を高めるための啓発を強化する。
フードバンクとは、包装の印字ミスや賞味期限が間近等の理由により品質に問題はないが通常の販売が困難になった加工食品や規格外の農産物等を、NPO等の団体が食品企業や農家等から引き取り福祉施設等に無償で提供する取り組みである。この活動は食品廃棄物の削減とともに、生活困窮者への食糧支援という社会福祉的側面を持つものであり、さらに普及させていくことが求められる。
この活動の普及促進に向けて、フードバンク活動団体の抱えるさまざまな課題(食品の冷蔵・冷凍・保管設備の整備、車輛や運搬機器の確保、事務所の賃借、運営ノウハウの獲得、提供食品に関する事故発生時の責任の所在等)を解決する仕組みが必要である。具体的には、相談窓口の設置や、フードバンク活動団体、食品の提供や物流にかかわる企業、行政等、関係者による協議体の設置が求められる。また、寄附された食品によって食中毒等の事故が発生した際、責任の所在に関する法規定がないことも課題の一つである。国および自治体の立法措置等の対応が求められる。
なお、食中毒等の事故に対する免責措置については、民法が関係することを踏まえて、食品ロス削減推進法に基づく食品ロス削減推進会議に法務大臣が加わることとなり(2023年7月)、議論が進められた。2023年12月には、食品ロス削減推進会議として、「食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ」がまとめられた。免責に関する事項は盛り込まれなかったものの、免責に関する議論を継続していくことが確認されている。