重点継続課題
地域政策
青少年消費者教育の推進
民法改正にともなう成人年齢の引き下げを受けて、18歳および19歳の知識や経験不足に乗じたヤミ金など悪徳商法による被害を未然に防ぐため、青少年向けの消費者教育を強化する。
金融教育については、金融教育元年と呼ばれる2005年以降、学校現場で推進されてきた。しかし、金融庁の「金融リテラシー調査2022年」によれば、学校等で金融教育を受けたと認識している人(18歳~29歳・2005年当時は1歳~12歳)は13.9%に過ぎず、これまでの金融教育が十分であったとは言い難い状況にある。
昨今、インターネットやSNSが普及したことにより、ネットを通じて「副業」「儲け話」に興味を持ち、「カード詐欺」や「ヤミ金」等に巻き込まれる事件が増加している。こうした金融トラブルの経験者については、金融教育を受けていない人の割合が高いとの調査結果(同金融リテラシー調査2022)があり、このことからも金融教育の効果および必要性は明らかである。
2022年4月から成年年齢が18歳となりクレジットカード契約などさまざまな契約を自らで行えることとなった。今後、青少年の被害が増えていくことが危惧される中、2022年4月より高等学校での金融教育が必修化されるなど新たな取り組みが始まったものの、学校現場からは授業時間の不足や教える側の専門知識不足との声が挙がっており(2022年10月中学校における金融経済教育の実態調査報告書・日本証券業協会)、金融教育の実践に向けての課題は山積している。
そうした中、政府は国民の金融リテラシー向上を目的として、金融経済教育推進機構を設立した(2024年4月)。学生を教える教員に対しても、研修会等を実施することによる情報発信や、教育現場で容易に活用できる教材等の提供など、学校現場の負担に配慮しながら学校における金融経済教育の一層の充実を図る役割が期待されている。
今後、益々複雑化するネット犯罪等から青少年を守っていくためには、高等学校のみならず小中学校段階からの金融教育を含めた消費者教育の推進が求められる。
[ヤミ金被害額の推移]
2020年 被害人員17,417人・被害額43億円
2021年 被害人員117,689人・被害額94億円
2022年 被害人員35,298人・被害額56億円